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カジタックスの素材
1961年の創業以来ニッケルクローム鋼をベースに若干成分を変更指定して、ピッケル、アイゼンに最も適した専用特殊鋼を採用しております。基幹産業の製鋼会社へインゴットから特注すると、今では100トン単位で納期は半年、資金数千万円を要します。
ピッケルやアイゼンのような特殊用途の素材は他に需要がなく、常温から極低温環境まで強度低下することなく対応できる素材は特注で造る以外に入手できません。
一般工業用材のクロモリなら市販品で必要量だけ安価に入手可能ですが、このクロモリを高価格で最高素材という会社もあります。それは粗悪品のSC材やSK材との比較でなら上質素材といえますが、これでは最高ではなく詐欺的表示となります。或いは本気で最高素材と考えるなら素材知識の欠如としかいえません。
考えられる最高の用具をというカジタックスのこだわりはクロモリでは充足できません。
特注で割高素材でも製法の合理化等により吸収可能で、製品はお値打ち価格でお求めいただけるものと考えます。
ピッケル、アイゼンの製法(一般)
現市販品の素材は主に次表のものが使用されておりますが、殆んどは高強度の特殊鋼が採用され、それぞれ現品の仕上がり性質は概ね次表のとおりです。
ピッケル、アイゼン素材と性質 (現物数値の概数値でJIS規格とは異なる)
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(ニッケルクロモリ製を10点として比較した概略数値)
これ等の数値は現市販中でも高評価品の平均で、メーカーによってかなりの差があります。
1.アルミ合金製は00年頃から主に4本爪アイゼンで採用され、素材比重の割りに製品重量が重いのは付属品が同一であり素材の弱さを肉厚で補い、特殊鋼製より重いものが多い。高価格と磨耗の早さと低強度等で何等メリットはないものと考えます。
2.純チタン製品は02年頃に国産で発売されました。これは焼入れ無しの製品で発売時に弊社で強度テストしたところ、100%使い物にならないと判定しました。予告どおり2〜3年で市場から消えましたが、こんなものを軽くて強い等と宣伝して販売するメーカーもありますので、初物には気を付けなければなりません。これ以外には同一製品はありません。
3.チタン合金製は95年頃から発売されました。外国製は少なく主に国産品が話題になりましたが数年で殆んど市場から消滅しました。理由は高価、磨耗が早い、砥げない、弱い等の欠陥が露呈したからです。弊社では1980年ころから全ての国内チタンメーカーと交渉して研究しましたが、世間で思われているような夢の金属には程遠く、ピッケル、アイゼン用素材としてはとても採用できるものでは無いとの結論でした。弊社の規準に叶う素材が開発されたら採用しますと各メーカーに伝えましたが未だ誕生しておりません。国産で発売されたものは当初NKKから弊社に試作依頼があり、図面まで提供して全面協 力したことで、是非弊社で商品化して欲しいと申し出がありました。しかし前記理由で断ったら何の挨拶もないうちに他社で発売されました。もし試作に弊社が協力してなかったら今の形には成り得ず、果たしてどんなスタイルになっていたか知れません。この事はこのチタンアイゼンの形状が87年弊社発売のXB12と寸分の違いも無い事で証明できます。最近このメーカーからピッケルとバイルが発売されました。オールチタン製で軽すぎて打撃力を得るために、重りを付けて使用するのでは軽量化の意味不明。特殊鋼比で数倍も早く磨耗するのに砥ぐ時は数倍の労力を要し高価格。チタン採用の意義は理解できません。 チタン合金製はアクセサリー的に持つだけの中高年軽登山者向けには推奨できますが、磨耗問題が解決されない限り、高機能が要求される積極的な長期使用は不可能と考えます。
4.S50C材は機械構造用炭素鋼の略で一部の4本爪アイゼンに採用されております。この材 質は硬くすると脆くなるので特殊鋼の4割程度の強度です。4本爪はアルミや無焼入れ品もありそれ等よりはましです。低価ですが強度は低く安易な使用はできません。
5.SK5は炭素工具鋼の略で主に4〜6本爪アイゼンに採用されております。本材は金型用材 で高硬度が得られますが、アイゼンに使用するには硬さを抑えなければ折れてしまいます。 どのような焼入れ方をしても特殊鋼比で半分程度の強さしか得られません。素材価格は安く てもアイゼン価格は殆んど差がなく、何故SK材を使用されるかは理解できません。
6.クロモリはクロームモリブデン鋼(特殊鋼)の略で世界的に最も多くのメーカーが採用して おります。本材の特長は焼入れ性が良く粘り強く折れ難い等ピッケル、アイゼンには上記5種素材よりはるかに適材です。しかし、低温用鋼ではないことから極寒環境下で急激に硬化して脆くなる性質上、硬さを低めに焼入れしなければなりません。硬さの設定はメーカー間格差が大きく、仕上がり硬度と使用環境との関連でトラブル事もあります。このクロモリを最高の素材と考え、高価格設定しているメーカーは研究不足と思われます。
本材採用の最大要素は汎用性が高く、市販素材を安価に入手できる事かと思われます。
7.ニッケルクロモリはニッケルクロームモリブデン鋼(特殊鋼)の略で一部のメーカーが採用 しております。本材の特長はEのクロモリの性質に低温特性が加わって極低温環境にも強度低下が少なく、対磨耗性も高く現状最高の素材と思われます。適正に焼入れされたものは通常使用下において殆んど故障はありませんので安心して使用できます。若干高価なのが欠点ですがクロモリ製と大差なく、用具を真面目に考える人にはお勧めします。 ニッケルクロモリ使用と明記されても本当に使用されているかは、専門家でも判別できないのでメーカーを信じるか、磨耗や強度等の品質で判定する以外に方法はありません。


